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ヘンデルのリコーダーソナタの楽譜

 今度のコンサートでは前回ブログに書いた、33年前の結婚祝いの楽譜を使います。このS.P.E.S.版には三つのタイプのヘンデルの自筆譜が載っています。

 

 まず清書。「Sonata a Flauto e Cembalo」(リコーダーとチェンバロのためのソナタ)と、タイトルからきちんと、丸みのある太い筆跡で書かれているもの。ハ長調(1楽章と二楽章途中まで未発見)、へ長調、イ短調、ト短調がこれにあたります。

 

 

次に草書。神経質で急いではいるものの、かなり正確に、でも清書よりずっと細い線で書かれています。修正の跡もちょこちょこ残っています。Allegro など、楽章の気分の指定もところどころ抜けています。変ロ長調、ニ短調がこれにあたります。

三つめは、草書よりさらに、神経質でカリカリとした筆跡で書かれたもの。通奏低音の数字もついていません。ヴァイオリン・ソナタト長調とオーボエソナタ変ロ長調、ハ短調がこれに当たります。

 これらの曲が書かれたのは1724年から26年の3年間であるそうです。ヘンデルはこのころ、イギリス王室に出入りして重用されていました。十分な収入があり、出版のためにあくせくする必要はありませんでした。スミスというプロの清書屋を雇っていたので自分で清書などする必要はなかったのに、リコーダーソナタの4曲をきれいに清書したのは、当時家庭教師を務めていたアン王女のレッスンに使ったためだと言われています。ヘンデル自身が清書したものは他にもヴァイオリンソナタニ長調が残っています。

 

 ヘンデルの自筆譜に清書、草書、数字のないもっとラフなもの、と3つのタイプがあるのは、誰がそれを演奏したかの違いではないでしょうか。リコーダーに限らず、楽器演奏が紳士淑女のたしなみであった宮廷内にはそれぞれの楽器を能くする人物がいて、ヘンデルはそのために各種楽器のソナタを書きました。ヴァイオリンはわかりませんが、オーボエはプロの演奏する楽器でしたから、その通奏低音はヘンデルが弾いたのでは?バッハも自身が弾く通奏低音には数字をわざわざ書きませんでした。

 

この楽譜については、まだ面白いエピソードがあります。

 

ヘンデルのリコーダーソナタ

 ~リコーダーのスタンダードナンバーVol.3

夜公演

 

6月22日(木)19時開演 

 @横浜市鶴見区サルビアホール音楽ホール

 

チケット好評発売中!詳細はコンサートページへ。

昼公演は満席により前売り券の販売を終了しました。

夜公演はゆったりお聞きいただけます。

ぜひご予約ください♪