視覚障碍者を対象に録音図書を作成したり、対面朗読をしたりする「音訳ボランティア」の活動に参加しています。全く知識ゼロから教えていただき3年。今回初めて図書館に納める本を担当し、今日完成しました!パチパチ!
今回担当した本はペニー・ジョエルソン著「秘密をもてないわたし」。少年少女向けのミステリーです。脳性麻痺の14歳の少女ジェマは知的な内面を持っているものの、それを伝える手段を持ちません。アウトプットすることのないジェマに周囲の人々は秘密を打ち明けたり、存在しないかのようにふるまったりします。まるで無力と思われていたジェマですが、新しいAAC(代替コミュニケーション)支援機器を試用することによって、重大な事件を解決していきます。
物語は、まばたきすら自分ではコントロールできないジェマの心の声によって語られていきます。音訳は朗読と違ってさらりと読んでいきますが、登場人物の会話と、ジェマの声音はそれぞれ分けなければ話がわからなくなるので、その加減が難しかったです。場面の転換、時間の経過などを少しの間や話し出しの音程の高低で表現するところは音楽にも通じるものがあり、とても勉強になります。私の音訳はいくら校正しても足りないくらい未熟ですが、物語の内容は素晴らしく、読後は元気に前向きになれると思うので、ぜひ読んで(聞いて)いただけたら嬉しいです。
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