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テレマンのドン・キホーテ組曲について

 2月15日のリコーダーコンソート青葉(RC青葉)で演奏するテレマン作曲「ドン・キホーテ組曲」。この曲は今回のテーマ「物語の音楽」の核となる曲です。「ドン・キホーテのブルレスカ Burlesque de Quichotte」という題名でも知られています。「ドン・キホーテ物語」はスペインの作家セルバンテスによって書かれ、1605年に前編が、1615年に後編が出版されました。ヨーロッパじゅうで大人気となった作品で、 テレマン(1681-1767)はこれを題材に組曲とオペラ作品を書きました。

 

 ドン・キホーテ物語は騎士物語の読みすぎで自分が騎士であると思い込んだ狂人ドン・キホーテが、田舎者のサンチョ・パンサを従者として遍歴の旅をする長大な物語で、エピソードも実にたくさんあります。 今回演奏する「ドン・キホーテ組曲」はこの物語を象徴するエピソードや登場人物(動物)を、当時のドイツ宮廷で流行していたフランス風組曲の形式にまとめたものと思われます。冒頭にフランス風序曲を、それ以降は「キホーテの目覚め」「風車に攻撃」「ドルシネーア姫への愛のため息」「かつがれたサンチョ・パンサ」「ロシナンテのギャロップ」「サンチョ・パンサの騾馬のギャロップ」「キホーテの眠り」という標題を持つ計8曲でできています。

 

 原曲は二本のヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音という編成です。リコーダー四重奏用に編曲されたものをさらに今回のRC青葉の編成(ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バス、グレートバス、コントラバス、ハープ)に再編しました。テンポはフランス風序曲であることを意識して、舞曲寄りで設定して演奏します。最後の「キホーテの眠り」は、標題からするとゆっくりなテンポが予想されますが、タンブーランという舞曲の形式を当てはめることができると考え、またドン・キホーテが夢の中でも戦っているという解釈で決めました。

 

 この曲は5年前の大阪のリコーダーフェスティバルにスーパーリコーダーカルテットで出演したとき、打ち上げで「何か面白い曲はないですか?」と聞いたら大阪のグループ、プネウマさんが教えてくださった曲です。やっと演奏できます。うれしいです!

 

 RC青葉コンサート「メロディーの花束~物語の音楽」2月15日13時半開演です。皆様のご来場をお待ちしています。

 


 ドン・キホーテが実はすごく長い物語だということを今回初めて知りました。

原作は挫折。せめて、とこれを読みました。