「リコーダーって昔は『たてぶえ』って名前だったよね。」先日の導入講習でアテンドしていただいた同年代の楽器屋さんと、子供の頃の教科書の話になりました。
そう。リコーダー、ではなく、ただ「笛」と呼んでいた気がします。「一緒に笛吹こうよー」というのは、いつでも魅力的な言葉です。
10年来の個人レッスン、そしてその前は指導しているアンサンブルのメンバーとして長く一緒に笛を吹いてきた生徒さんが、平成が終わる日に不慮の事故で急逝されました。10年間毎月、月に2時間も二人で笛を吹いて過ごした時間の大切さを、悲しみの中で知りました。
先日、お宅に伺って遺影を拝見し、お骨を抱かせていただきました。悲しかったけれど、自然と「また一緒に笛を吹きましょうね」という言葉が出てきました。
一昨日訪れた花菖蒲園は、開花期の6月だけ開園し、そのあとものの見事に葉も茎も、短くカットしてしまいます。そして株あげ、根を洗って、株分けをしてまた小鉢に植えて…と大変な手間をかけます。でも、そんな風に思い切りよく切ることができるのは来年にまたこんな風に花が咲くと知っているから。
私も、今日は別れた人とまた一緒に笛を吹ける日が来ると信じて、元気になりました。